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花宵道中


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書評/国内純文学


新潮社が主催する、「女による女のための」と銘打たれた文学賞、R−18文学賞の第5回において大賞と読者賞を同時受賞した作品。

作者の宮木あや子(みやぎあやこ)さんは1976年生まれで、この作品の受賞でデビューした新人。僕と同年代の女性が描くエロティックな小説がどんな作品なのか、大いに興味があった。
それに、女性によるエロティックな作品ということだけど、男性の僕が読んだらどんな感じだろう・・・という興味もあって読んでみた。


R−18文学賞という賞の名前からお察しのつくとおり、官能的な描写が数多く出てくるけれど、作品から感じたのは「せつなさ」だった。
時代小説はほとんど読んだことがなく、当時の文化や風俗について詳しくない僕でも、楽しく読み進むことができた。その辺りの知識がある方なら、きっともっと楽しく読むことができるのではないかと思う。

・・・・・・・結論としては・・・・・・・めちゃくちゃ面白かった!

江戸の吉原に生きた遊女たちを描いた物語5本が、お互いに重なり合い、それぞれ視点を変えて描かれることでそれぞれの人物が持つドラマがより深くなり、広がりを見せていく。

自分ではどうしようもない数多くのことに翻弄されながらも、作品に出てくる彼女たちは懸命に生きている。理不尽だと感じても、つらいと思っても、心に愛しい人を想いながら精一杯生きている。しかし、決して能天気にポジティブなわけではなく、実際は諦めながらも胸に秘めた思いにすがって生きている。命がけで恋をしている。だからこそ、読んでいてせつなくなる。

そして、遊郭という閉ざされた世界に生きる遊女たちが想いを寄せる男たちが、どうにもこうにもカッコイイ。収録された物語の中には、そんな男たちの視点で描かれたものもあるのだけれど、男の視線によるストーリーがあるからこそ、本書の世界により深みがあるのだろうな、と感じた。

ぜひ、多くの女性たちに読んでいただき、読んだ女性たちはまわりの男性たちにも読ませてやってほしい。読ませる相手は選ぶ必要があると思うけど。

著者・宮木あや子さんの今後の作品にも、そしてつい先日、第6回の大賞受賞作品が決まった「女による女のためのR−18文学賞」からこれからどんな作品が輩出されるか、実に楽しみだ。

評価(★5つで満点):★★★★★

■新潮社 女による女のためのR−18文学賞 公式サイト (宮木さんのインタビュー記事もあり)
http://www.shinchosha.co.jp/r18/

■宮木あや子さんブログ http://amiya.fruitblog.net/ 
(この作品「花宵道中」が漫画化されるそうだ。)

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『花宵道中』 by 宮本あや子

「女による女のためのR−18文学賞」の第5回大賞を受賞した小説。つまりは、官能小

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