進化するケータイの科学
テレビを見ていると、頻繁にケータイのCMが流れる。そこに出てくる言葉に、そろそろ着いていくのが苦しくなってきた。
「ワンセグ」「フルブラウザ」はまだ理解できるにしても、「DCMX」「プッシュトーク」あたりになってくるとアタマの上に「?」が浮かんでしまう。「ソフトバンク」のことをうっかり「J-PHONE」と呼んでしまって笑われたこともある。
なんだか、自分がオジサンの域に入りつつあるようで、情けなくなってくる。
思い起こせば、僕がケータイ(携帯電話+PHS)を持ってもう10年になるのだ。
・僕が初めて持ったケータイはドコモのD201だった。
当時はアナログからデジタルへの過渡期だった。(1997年)
・就職活動を始めたころ、ドコモが「iモード」サービスを開始した。
CMに使われていたあの独特の音楽は今でも耳に焼き付いている。(1998年)
・大学を留年してヒマになって、週5で携帯電話会社の営業のバイトをした頃。
テレビで「cdmaOne」が盛んに宣伝されていた。(1999年)
・4ヶ月ほどのアメリカ滞在から帰国後はデータ通信重視でPHSユーザーになり、今に至る。(2000年)
機種変更くらいはあったとはいえ、ケータイの変化と自分の生活のリンクがここ7年ほど止まってしまっているのか!?さすがにケータイの進化のスピードに取り残されつつあるのでは、と不安を解消してくれるのでは!?と期待して読んだのが、この本。

進化するケータイの科学 つながる仕組みから最新トレンドまでケータイを丸ごと理解する
livedoor BOOKS
書評/サイエンス

じつに丁寧に、ケータイに関する技術や業界動向について解説してくれていて、技術用語に疎い僕でもすんなり読める。
2色刷りの図版が多く使われており、難しい漢字にはフリガナがふられているので、ケータイに興味がある中高生でも楽しく読めるだろう。それに、現代の情報科学技術の最先端を集約したケータイのことを知ることで、将来の進路を考えるヒントになるかも知れない。
第1章では「携帯電話がつながる仕組み」として、携帯電話で通話するための通信網についてや、アナログの第一世代から現在主流の第三世代までの仕様の変遷について解説している。
各社が採用する通信方式は、世界の中でどの陣営につくかの争いでもあったわけで、技術ばかりでなくマーケテンィグ的な判断がどこでされたのか、という視点で読んでも興味深い。
第2章は「ネットにつながる携帯電話」として、現在ケータイを使う上で不可欠といえるメールやネット接続について詳しく解説している。
やはり、「iモード」に始まった携帯電話で利用できるインターネットは一種の革命だったんだな、ということを思い知らされる。この章では、回線交換方式とパケット通信方式の違い、といった基礎的なことから、Skypeや無線LAN、RSSといった技術を取り込みつつ進化するケータイとネットの関係について知ることができる。
元・ユーザーとしてはフルブラウザ端末のはしりとしてDDIポケット(現・ウィルコム)のPHS「京ぽん」を写真入りで紹介してくれているのが嬉しかった。
第3章「携帯電話に使われている技術」では、ケータイの中身がどうなっているのかについて、CPU、ディスプレイ、メモリ、OS・・・と具体的に解説されている。個人的にはこの章で最も多くの発見があり、本書の中で一番「読んでよかった」と思える部分だった。
高速・高性能を追求する必要があるけれど消費電力を抑えなくてはならないという相反する制約の中で、さまざまな技術が組み合わされて僕たちの手元にあるケータイがあるんだな、と感じ入ってしまう。そして、携帯電話のキャリア・端末メーカーの覇権争いはすなわち、最先端技術の覇権争いでもあるのだ、ということを改めて思い知らされる。
最終章では「万能化する携帯電話」として、TV・ラジオ、おサイフ、音楽プレイヤー、ナビ、そしてカメラ・・・とケータイが多機能化している現在、利用されている技術を解説し、ケータイがこれから向かう方向についても検討している。
びっくりしたのは、最近のデジカメがセールスポイントとしている「手ブレ補正」が、ケータイのカメラにもデジタル手ブレ補正として搭載され、将来は人工筋肉を利用した光学式手ブレ補正も採用されるかもしれない、という話。
ケータイをナビとして使えるようにするために、通信網を活用してカーナビとはまったく違った技術が用いられているという話も面白い。
この1冊を読めば、CMで流れる言葉がわかるばかりではなく、「デジタルARENA/ケータイチャンネル」のような、IT系のニュースを扱うサイトの記事もすらすら読めるようになるに違いない。
中高生が身近な科学技術に興味を持つきっかけとなり、社会人も気軽に読んで知識をつけることのできる良書だった。
ただ、残念なことに図版関係で誤植が目立ち、理解できないことはないが混乱することが数回あったので、改定の際には改善してほしい。
厳しいかもしれないが、誤植で1つ星を減らして星4つ。
評価(★5つで満点):★★★★
「ワンセグ」「フルブラウザ」はまだ理解できるにしても、「DCMX」「プッシュトーク」あたりになってくるとアタマの上に「?」が浮かんでしまう。「ソフトバンク」のことをうっかり「J-PHONE」と呼んでしまって笑われたこともある。
なんだか、自分がオジサンの域に入りつつあるようで、情けなくなってくる。
思い起こせば、僕がケータイ(携帯電話+PHS)を持ってもう10年になるのだ。
・僕が初めて持ったケータイはドコモのD201だった。
当時はアナログからデジタルへの過渡期だった。(1997年)
・就職活動を始めたころ、ドコモが「iモード」サービスを開始した。
CMに使われていたあの独特の音楽は今でも耳に焼き付いている。(1998年)
・大学を留年してヒマになって、週5で携帯電話会社の営業のバイトをした頃。
テレビで「cdmaOne」が盛んに宣伝されていた。(1999年)
・4ヶ月ほどのアメリカ滞在から帰国後はデータ通信重視でPHSユーザーになり、今に至る。(2000年)
機種変更くらいはあったとはいえ、ケータイの変化と自分の生活のリンクがここ7年ほど止まってしまっているのか!?さすがにケータイの進化のスピードに取り残されつつあるのでは、と不安を解消してくれるのでは!?と期待して読んだのが、この本。

進化するケータイの科学 つながる仕組みから最新トレンドまでケータイを丸ごと理解する
- 山路 達也
- ソフトバンク クリエイティブ
- 945円
livedoor BOOKS
書評/サイエンス

じつに丁寧に、ケータイに関する技術や業界動向について解説してくれていて、技術用語に疎い僕でもすんなり読める。
2色刷りの図版が多く使われており、難しい漢字にはフリガナがふられているので、ケータイに興味がある中高生でも楽しく読めるだろう。それに、現代の情報科学技術の最先端を集約したケータイのことを知ることで、将来の進路を考えるヒントになるかも知れない。
第1章では「携帯電話がつながる仕組み」として、携帯電話で通話するための通信網についてや、アナログの第一世代から現在主流の第三世代までの仕様の変遷について解説している。
各社が採用する通信方式は、世界の中でどの陣営につくかの争いでもあったわけで、技術ばかりでなくマーケテンィグ的な判断がどこでされたのか、という視点で読んでも興味深い。
第2章は「ネットにつながる携帯電話」として、現在ケータイを使う上で不可欠といえるメールやネット接続について詳しく解説している。
やはり、「iモード」に始まった携帯電話で利用できるインターネットは一種の革命だったんだな、ということを思い知らされる。この章では、回線交換方式とパケット通信方式の違い、といった基礎的なことから、Skypeや無線LAN、RSSといった技術を取り込みつつ進化するケータイとネットの関係について知ることができる。
元・ユーザーとしてはフルブラウザ端末のはしりとしてDDIポケット(現・ウィルコム)のPHS「京ぽん」を写真入りで紹介してくれているのが嬉しかった。
第3章「携帯電話に使われている技術」では、ケータイの中身がどうなっているのかについて、CPU、ディスプレイ、メモリ、OS・・・と具体的に解説されている。個人的にはこの章で最も多くの発見があり、本書の中で一番「読んでよかった」と思える部分だった。
高速・高性能を追求する必要があるけれど消費電力を抑えなくてはならないという相反する制約の中で、さまざまな技術が組み合わされて僕たちの手元にあるケータイがあるんだな、と感じ入ってしまう。そして、携帯電話のキャリア・端末メーカーの覇権争いはすなわち、最先端技術の覇権争いでもあるのだ、ということを改めて思い知らされる。
最終章では「万能化する携帯電話」として、TV・ラジオ、おサイフ、音楽プレイヤー、ナビ、そしてカメラ・・・とケータイが多機能化している現在、利用されている技術を解説し、ケータイがこれから向かう方向についても検討している。
びっくりしたのは、最近のデジカメがセールスポイントとしている「手ブレ補正」が、ケータイのカメラにもデジタル手ブレ補正として搭載され、将来は人工筋肉を利用した光学式手ブレ補正も採用されるかもしれない、という話。
ケータイをナビとして使えるようにするために、通信網を活用してカーナビとはまったく違った技術が用いられているという話も面白い。
この1冊を読めば、CMで流れる言葉がわかるばかりではなく、「デジタルARENA/ケータイチャンネル」のような、IT系のニュースを扱うサイトの記事もすらすら読めるようになるに違いない。
中高生が身近な科学技術に興味を持つきっかけとなり、社会人も気軽に読んで知識をつけることのできる良書だった。
ただ、残念なことに図版関係で誤植が目立ち、理解できないことはないが混乱することが数回あったので、改定の際には改善してほしい。
厳しいかもしれないが、誤植で1つ星を減らして星4つ。
評価(★5つで満点):★★★★
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